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何となくけだるく、それでいながら何となくうきうきする明るい春も、今年は駆け足で過ぎていってしまいそうです。それほどに暖かい日が続いていますが、皆さん、お変わりありませんでしょうか?
すっかりご無沙汰して申し訳ありませんでした。昨年8月にバングラデシュから帰国した時に発信して以来の通信となります。新年のご挨拶もしないままに。
昨秋以来、国内では外務省人事をめぐる問題と田中外相更迭人事、狂牛病問題、アフガニスタン報復攻撃後方支援のための自衛隊派遣、鈴木宗男騒動、加藤紘一秘書疑惑、辻本清美政策秘書騒動など一連の政治騒動、景気低迷と高い失業率、北朝鮮拉致疑惑再燃等々、世界では、アメリカでの同時多発テロ、それに対するアフガニスタンへの報復攻撃、アメリカ大統領によるイラク・イラン・北朝鮮に対する悪の枢軸発言、インド・パキスタンの対立、イスラエルとパレスチナの緊張など、21世紀初めとしてあまり良いニュースはなかったようですね。スポーツ界における大リーガーイチローの活躍や、高橋尚子さんのマラソン世界新記録、リレハンメル五輪の清水選手の銀メダルなどが元気をくれたように思います。と、何だか随分昔の話をしていますね。これからはワールドカップで日本チームがどれだけ頑張ってくれるかを楽しみにしたいところです。
さて、私はこの2月1日から先月25日まで、再びバングラデシュに行っておりました。バングラデシュでは、昨年10月に5年に一度の総選挙が実施され、野党が勝利し、政府が交替しました。独立以来同じ政党が2期続けて政権政党だったことがないというジンクスはまたも破られませんでした。当然のことながら、殆どの大臣が交代し、各省庁の人事も大きく交替し、これまで実施されてきた多くの事業がストップ、見直し、凍結といった事態がおきています。農業省に専門家として配属されている知り合いは、「2年間仕事を一緒にやって来た職員が全て異動になり、また一から始めなければならない。残りの任期はあと3ヶ月。これじゃぁ無理だよなぁ。」とあきらめ顔。また、教育省配属の専門家は「スウェーデンが協力を開始したばかりのプロジェクトが突然中止になり、スウェーデン大使館は外交問題だと抗議している」とあきれ顔。この国では、政権が替わることは、人から政策から事業に至るまで、全て変わることを意味しているから大変です。
その一方で、バングラデシュはその国家予算の50%以上を海外からの援助で賄っているという現実があります。毎年、援助国や国際機関とバングラデシュとの間で会議が開かれるのですが、3月にあった会議では、世界銀行の副総裁(西水さんという日本女性)が会議の冒頭に「バングラデシュは良い統治が行われず、いつまでたっても汚職がなくならず、援助資金がどこかへ消えていくケースが後を絶たない。このような状況では、われわれは援助をコミットするわけにはいかない」と、厳しくバングラデシュ代表を非難したという新聞記事がありました。これに対し、バングラデシュ政府代表は「悪いことをしていたのは前政権の人間である。我々はこれから今までの悪い政治を良い方向へ変えていくのである。」と、答えたそうです。これはバングラデシュの政治家の得意な台詞です。「自分は悪くない。悪いのはあいつだ。」なかなか大変な国です。
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バングラデシュの大変な状況をもう一つご紹介しましょう。この国では中学校卒業時に国家認定試験を行います。全国一斉試験で、郡毎に数日間かけて実施するのですが、試験を受けに地方から中学生が郡庁のある町へ集まって来るのに、宿泊施設は絶対的に足りず、多くの生徒は学校の校庭や広場などに野宿するのだそうです。試験の前日現場にいた私は、認定試験を受けに行くという中学生の集団に出会いました。びっくりしたのは、彼らの家族が薪を運んだり、山羊を連れたりしていたことです。野宿ですから当然炊事も自分たちでしなければなりません。そのための燃料も、時には食料も運ぶというのです。いやはや中学校卒業認定試験も楽じゃぁないな、と思った翌々日の新聞を見てまたびっくり。全国で開始された認定試験でカンニングのため数千人の受験生が退場処分を受けたというのです。毎年何万人という受験生が退場になるそうで、しかしながら、処分を受けても翌年にはまた受験が可能だということだそうです。
前回は(覚えてらっしゃいますか?)、女性の社会的立場の低さを書きましたが、今回は政治、教育面についてお伝えしました。
さて、新しい年度が始まりました。官公庁や企業へお勤めの方は正月とはまた違った新たな気持で過ごされていらっしゃると思いますが、私が籍を置いている零細企業は、新入社員が入るわけでもなく、日頃と変わらない日々を送っています。とはいえ、今年も新しい仕事に挑戦しよう、という意気込みだけは湧いてきます。客先、というよりは相手国の人々から喜ばれるような良い仕事がしたいと思います。
農作業も始まりました。昨年秋に作付けしたコムギ、ライムギ、タマネギ、ニンニクは順調に生育しています。今日は整備が終わって戻ってきたトラクターで畑を耕しました。気温が高く推移している分、春の作物の作付けも早まりそうです。
自宅のサクラが咲き始めた日に
穂高の百姓
君島 崇
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