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2000年10月17日

マダガスカル報告/農作業の進捗


 穂高では名峰有明山の紅葉がまだ進んでいません。夏から秋にかけての気温が高く推移したのが、響いているのでしょうか。昨年は10月10日頃あった初霜もまだ降りません。とはいえ、日が落ちてからの気温の下がり方は急激で、やはり秋は駆け足で深まっているようです。

 さて、10月15日にマダガスカルより帰国しましたので、お知らせいたします。9月23日、オリンピックの真っ最中に日本を飛び出し、高橋尚子さんの金メダルの走りを見ることもなく、ユーゴの劇的な選挙結果やパレスチナの緊張の高まりを知ることもなく、ひたすら会議と現地調査を繰り返してきました。

 マダガスカルはご存じの方も多いと思いますが、アフリカの東南部沖、インド洋に浮かぶ面積58万7千平方キロメートルの島国です。日本の1.6倍ぐらいある大きな島に人口はたったの1,600万人しかいません。人間が誕生するはるか昔にアフリカ大陸から切り離されたため、マダガスカルの動植物は独特の進化を遂げ、貴重、希少種が多いのはこのためです。また、東西南北で気候が非常に異なるため、余計に進化が複雑化したのかも知れません。動植物に興味のある方には大変面白いところだと思います。

 1960年にフランスから独立しましたが、現在でもフランスの影響は随所に残っています。しかし、マダガスカルの文化は東南アジアから来たマレー系移民の文化とアフリカからの移民の文化とが融合した独特の文化と言えましょう。農地面積の半分は水田であることが示すように、米はマダガスカル国民の主食となっていますが、これほど米に偏った農業を行っているのは東南アジアしかありません。一人あたりの米消費量は年間180kgと言われています。これは世界一の消費水準です。一方、中央部の高地帯一帯は木がほとんど生えておらず、放牧用の草原となっています。昔は森林であったようですが、いつの間にか木が伐採され、それから放牧のために火入れが繰り返され、樹木植生は回復しませんでした。放牧の文化はアフリカから入ってきたようです。いくつかのマダガスカルの言葉は、マレー方面の言葉と同じですし、音楽にいたっては、インドネシアを思い出させるような、ゆったりとした優しいものがあります。

 マダガスカルの人は15以上の民族から構成されています。過去においては他民族の領域の侵略を試みる民族もいたようですが、最近は民族間の融合も進んでいるようです。ある民族は、一旦埋葬した死者を死後ある期間をおいて掘り出し、別の墓に移して埋葬するという慣習を持っています。これは非常に重要な儀式となっています。

 以上のように、マダガスカルのマ程度をちょっと垣間見た程度ですが、非常に面白い国だと思いました。次回は全国をじっくりと見る機会を持ちたいと思いました。

 さて、マダガスカルに行っている3週間の間には、前に述べたような世界規模の変化があったように、私の畑も一変しました。留守中に稲はすべて刈り取られ、脱穀も終わりました。私の農業仲間が、私に代わってこれらの作業を行ってくれたのです。ただただ感謝です。出発前に植え付けたダイコンやチンゲンサイ、タァツァイなどは収穫できる大きさに育っていましたし、過去2回失敗しているハクサイは、今年は葉が巻きだしました。キャベツも順調です。大豆はかなり葉を落としてきましたが、今年はしっかりとした莢に大きな豆ができているようです。サツマイモも近日中に収穫できると思います。ということで、もう今年の農作業も終わりに近づいています。豆とサツマイモの収穫と前後して、タマネギの定植、ニンニクの播種を行います。そしてライ麦とコムギの播種で、一段落というところです。夏には土が見えないくらいに青々としていた作物や雑草も色が褪せ、枯れていくのを見ると、ちょっとした寂しさを感じます。これまで、作物を育んできた土の休憩時間と見るべきでしょうか。

 長野県知事選挙はご存じのような結果となりました。硬直化した官僚政治が今後よい方向に変わっていくことを期待したいと思っています。

 長々と書きましたが、マダガスカルの帰国報告でした。少なくとも来月中旬ぐらいまでは日本に居ります。よろしくお願いします。

農業コンサルタント/穂高の百姓
君島 崇


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