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2000年 9月26日

モザンビーク日記:静かなる人々  小野澤雅人


 昨日は、第36回建軍記念日ということで、ここテテでも軍事パレード(と言うにはあまりにも小さいのだが)があった。町の中心部の交差点には仮設ステージが設けられ、一日中音楽や演説が続くにぎやかなお祭りの日だった。

 今日は3連休が明けて、通常勤務がはじまる。私は朝一番の仕事として、近くの銀行に調査団の経費の精算などに立ち寄った。休み明けで当然のことながら銀行にはたくさんの人々が来ており、各々の手続きのため、列を作って待っている。私もその列に加わってふと、何かがおかしいことに気がついた。それは、「静寂」と表現するような静けさなのである。

 当地に赴任してきて早2週間が過ぎようとしているのだが、そういえばモザンビークの人って、すごく静かに丁寧に話をすることに気がついた。最初はそれは、我々外国人に対する、興味の混じった慎ましさなのかと思っていたが、どうもそうではないみたいだ。事務所のそばの市場に行っても、商売はすごく活発だけれども、お互いに怒鳴ったり大きな声を出し合ったりしない。

 アジアのマーケットの、「ワーン」と響くような喧噪を、この国の市場に期待していると、かなり異なった印象を持つのである。「優しい」とでも表現するのが適切とも言えるような、そんな静かさがあるのである。

 たしかに彼らの、しゃべり方を聞いていると、モザンビーク人=ポルトガル語=ブラジル=サンバ=にぎやか・アフリカンリズム・陽気、etc.といった定型化された偏見を持ちがちなのだが、現実は少し違うみたいだ。もちろん、上の等式の最後の項「にぎやか・アフリカンリズム・陽気・etc.」は確かに存在している。でも、みんな静かにしゃべるのある。銀行に静寂さがある。これは、私にとって大きな発見であると同時に、さらにこの国の人々に対する興味をそそる題材の一つなのである。


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